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うま味と、うまみの相乗効果
「うま味」は味覚をつくる基本5原味の一つ
5原味というのは五つの味を組み合わせることで全ての味が表現できるといわれる味で、甘味、酸味、塩味、苦味とうま味からなります。
もともと基本味は5つではなく、うま味を除いた4原味と言われてきました。
しかし4原味では日本の食生活で使われるだしの味が表現できないということで
日本ではうま味を足した5原味になったそうです。
図では、おいしさが五つの基本味に風味や目で見た視覚的感覚的要素などからつくられていることがわかります。
味を代表する物質
たとえば甘味には「砂糖」、塩味には「食塩」のように、その味を感じさせる物質があります。
うま味の場合それは「うま味物質」と言います。
うま味物質にはアミノ酸と核酸系があります。それぞれ代表的なものはアミノ酸系ではグルタミン酸、核酸系ではイノシン酸とグアニル酸があります。
アミノ酸系のグルタミン酸は野菜にも含まれてますがダントツで昆布に多く含まれていてます。
核酸系のイノシン酸は魚類と肉類にたくさん含まれていて、鰹節や煮干しは魚が乾燥して凝縮されたイノシン酸がたっぷり含まれています。
同じく核酸系のグアニル酸は椎茸に多く含まれます。特に干した椎茸は生椎茸の2倍以上のグアニル酸が含まれてます。
昆布、椎茸、鰹節や煮干しなどだし素材にうま味物質がいっぱい含まれています。しかしこのことは昔からわかっていたことではなく、昔の日本人はそれらのうまみを食の経験から感じて「和食」という文化を創りました。
うまみの相乗効果
昆布とかつおのだしを合わせて使う理由
だしを作るときに、昆布とかつお節をといった、二つのだしを組み合わせてつくります。ふだん何気なく二つのだしを合わせていますが、これにはちゃんとした理由があります。
味を代表する物質で、グルタミン酸とイノシン酸とグアニル酸の3つのうまみの名前が出ました。
これら3つのうまみはひとつずつでもおいしく感じますが、グルタミン酸とイノシン酸をあわせるように他のうまみと一緒するとひとつだけの時よりうまみを4~8倍に強く感じられるようになることが科学的に証明されました。
これをうまみの相乗効果といいます。
うまみの相乗効果
この図はグルタミン酸ナトリウムとイノシン酸ナトリウムの配合割合によってうま味の強さ(感じ方)の変化を表したグラフです。
イノシン酸を30%配合したあたりから60%あたりまでは、うま味の強さがほぼ8になっている事と、イノシン酸の配合を0(グルタミン酸だけ)とイノシン酸は配合100のあたりではうま味の強さが1~2くらいの低い値になっている事がわかります。
二つの異なるうまみを合わせるのがポイント
うまみの層状効果はグルタミン酸とイノシン酸のように、異なるうまみを合わせたの場合に効果が出ます。
日高昆布(グルタミン酸)と利尻昆布(グルタミン酸)や、かつお節(イノシン酸)と煮干し(イノシン酸)の組み合わせでは効果が出ません。
昆布(グルタミン酸)とかつお節(イノシン酸)のように異なるうまみの組み合わせの時にうまみの相乗効果により味に深みが出ておいしく感じるのです。
この組み合わせは野菜(グルタミン酸)と肉(イノシン酸)など他の組み合わせでも効果があります。
さらに、ここに三つ目のうまみグアニル酸を加わえればうまみはもっと複雑になり深みも広がります。一説には、グルタミン酸とイノシン酸のうまみに椎茸のうまみ(グアニル酸)を加えると32倍おいしくなるとも言われています。
椎茸のうまみをプラスするのにスライスした椎茸が便利です。
毎日の料理でも、お肉(イノシン酸)や野菜(グルタミン酸)お魚(イノシン酸)のうま味の組み合わせを取り入れられます。かけた手間以上においしく作ってください。