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昆布だしをとるときに昆布に切込みを入れたほうが良いのでしょうか
昆布だしを取る時に、昆布に切れ目を入れるとだしがよく出るという説があります。
同時に切れ目を入れると昆布の海藻臭さが出るので入れない方が良いという説もあります。
この二つの説は、どちらも正しいです。
切れ目は、昆布だしの出口で、ぬめりの出口
昆布だしは、昆布の切れ目からたくさん出てきます。黒い昆布の表面からも出てきますが、切れ目からの方が効率よくだしが出ます。
そして切れ目からは海藻臭さ(えぐみ)の原因であるぬめりも出やすくなります。
昆布のぬめりは主に昆布の食物繊維で、このぬめりの中にアルギン酸やフコイダンと言った体に良い成分ですが、味に関しては海藻臭くなるため料理に使う場合にはぬめりは出さないようにします。
最近、ぬめりがたくさん出て体に良いと話題になった「がごめ昆布」が、昔から存在するのに知られなかったのは、粘りが強すぎてだし賭して使われなかったためです。
このぬめりを出さない(出にくく)ようにするには、切れ目を入れず、昆布の表面からだしを出させることです。そうするとスッキリおいしいだしになります。そしてだしが出るまでに時間をかけてあげる必要ができます。
多少海藻臭さがあっても短い時間でしっかりした昆布だしを作りたい時は、昆布に切れ目を入れることでだしの出口ができて、早く昆布だしが作れます。
昆布の種類によって決める
もう一つ、使う昆布によって切れ目を入れる入れないを決める考え方もあります。
だし昆布には4種の昆布があります。それぞれの特徴はこちらで紹介しています。
もともとだしが濃厚な羅臼昆布の場合、切れ目を入れると海藻臭さまでも出やすくなるので入れない方が良いでしょう。だしがスッキリしていて海藻臭さの少ない道南昆布(真昆布)なら、切れ目を入れてだしをしっかり出した方がおいしくなります。
だしをとるときの状況や使う昆布にあわせて、昆布に切れ目を入れたり入れなかったりを使い分けてみてください。