昆布だし
こういう質問をよくいただきます
戸棚の奥から賞味期限が切れた昆布が出てきました。
見た目には買った時と同じような感じ、又は表面が白くなっています。
これって使っても大丈夫なんでしょうか。
昆布の賞味期限
結論から言うと「乾燥した昆布は賞味期限が過ぎていても使えます」
ただし、昆布が水分を大量に含んでしまうと期限内でもカビが生えて使えなくなります。
写真は水分を含んでしまってカビが生えた昆布です。丸く白いところがカビです。全体的に白くなっているところは昆布の栄養分マンニットです。
昆布は、水分さえ与えなければ数年過ぎてもだしを取れます(昆布によって若干濁りが出ますが)。
たとえ昆布の表面が真っ白になっていても、それがカビではなくマンニットであればちゃんとおだしは取れます。
カビとマンニットの見分け方
カビもマンニットもどちらも白くて、パッと見た目でわかりにくいところもあります。「もし、カビが生えた昆布でだしをとっちゃったらどうしよう」そんな心配をしてしまいます。
でも大丈夫。カビとマンニットは臭うとはっきりわかります。
昆布に生えたカビはカビ特有の臭さがあります。
白いところからカビの臭いがしなければ、それはマンニットですので安心しておだしをとってください。
この白いのも昆布の栄養分マンニットです。
昆布は採れたその年に使うより1年寝かせた方がおいしくなります。
昆布を囲う
昆布を寝かすことを「囲い」と言って、できたばかりの新昆布を蔵の中に置いて1年以上熟成させることで、だしの味がまろやかになやさしい味になり、だしもよく出るようになります。
だしにこだわる料亭さんでは1年以上寝かした昆布でしかだしを取らないお店もあります。
どれくらい寝かすと良いのかは昆布の種類によってまちまちで、利尻昆布は20年以上寝かせた昆布もあるほど寝かせば寝かすほど美味しくなりますが、羅臼昆布の場合採れた年の2年目から3年目が最も美味しい時です。それ以上寝かすと昆布が赤く変色する事があります。(少しわかりにくいですが写真のカットしている昆布は3年置いて赤く変色した羅臼昆布です)
昆布を袋に入れて販売する場合、法律上賞味期限の表示義務がありその期限も上限が決められていて何年も先の日付を表示できなくなっています。そのため販売するときは袋詰めから1年程度の賞味期限になっていますが、実際は先ほど書いているように1年を過ぎてからの方が昆布の繊維がやわらかくなってより濃厚でまろやかな味になります。だから昆布の賞味期限はあまり気にしなくていいです。
どうして昆布にマンニットが出てくるの
昆布に水分が残っているとマンニットは残っている水分に溶けだします。
その水分が蒸発するときに、昆布の表面で水分は蒸発してマンニットが残ります。
こうやって昆布の表面にマンニットが残るので、昆布を作る時に水分が多く残っていた昆布は白くなりやすいです。また昆布が空気中の水分を吸って、乾燥してを繰り返しても白くなります。
昆布の上手な保存方法
昆布を使いやすい大きさに切って(カット済みの昆布をご購入の場合この作業は不要です)
ガラス瓶やプラスチック容器(においがしない物)や、しっかり封ができるナイロン袋でもいいのでそれに入れてしっかり蓋や封をしてください。置いておく場所は戸棚で結構です。
この状態で2年くらい置いてても大丈夫ですし、新昆布なら来年には昆布がさらにおいしくなってます。
昆布保存の注意点
- 昆布は臭いを吸収するので容器はにおいがしない物にしてください。
- 冷蔵庫冷凍庫の保存も大丈夫ですが、庫内の湿気を昆布が吸ってしまったり冷蔵庫冷凍庫から出したときの温度差で結露の湿気を帯びたりするので冷蔵庫も冷凍室にも入れない方が良いです。先ほど紹介した容器に入れてきちっと封をしていれば、湿気の多い時期でも戸棚などに置いてて大丈夫です。
- 金属製の容器は昆布の塩分で錆がでて、その臭いを吸ってしまうこともあるので避けた方がいいです。
うまく保存して昆布をより美味しく使ってくださいね!
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時短から手間いらずの昆布だしの取り方や高級料亭で行われているおいしい昆布だしの取り方、や美容効果のある昆布水の説明などを書いたこちらの記事もあわせてご覧ください。
2014年1月9日